愛着障害とは
愛着障害(アタッチメント)とは、イギリスの精神科医ボウルビィが提唱した概念で、生後2~3年目に形成される母子間の絆関係との間に生じる障害の総称です。
しかし、医学・心理学で様々な考え方があり、定まった定義などがない状況ですが、社会的に生きづらさを抱える人に、何等かの愛着障害があるのではないかと考える人も多いようです。
愛着障害をかかえると、「誰かを信頼する」といった経験値が極端に低くなるため、不安をかかえトラウマを背負うことになります。
例えば、人と目をあわせず抱き着く、養育者に近づいたり、逃げたり、逆らったりするなど通常では見られないような不安定で複雑な行動を示します。
愛着障害をもっても、安心できる安全基地が確保されると2次障害となる確率は軽減されますが、確保されないと、思春期から青年期を境として、解離性障害を発症し、強迫性障害、摂食障害、自律神経失調症、慢性疲労症候群、不眠症、うつ病、パーソナリティー障害を患う可能性が高くなります。
愛着障害の原因
こうした幼少期からの行動は、発達障害の子供にも見られます。
愛着障害の場合は、ネグレクト、虐待など親子関係に問題があった場合によって生じます。
また、子宮内の中にいる胎児期からの早い段階においても、母親のアルコール摂取、薬物摂取、不養生などからトラウマを抱えることもあり、症状が複雑化してきます。
小さい頃から何等かのトラウマを抱えると、 交感神経が高まった状態となり、神経過敏で不安・恐怖をかかえ 、動悸、イライラ、癇癪、トゥレット・チック障害といった発達障害的な症状もみられることがあります。
愛着障害のタイプ
愛着障害とは、養育者との愛着が何等かの理由で形成されず、子供の情緒や対人関係において問題を生じる状態のことを言います。
愛着のパターンには、「安定型(Bタイプ)」「回避型(Aタイプ)」「不安型(Cタイプ)」「無秩序型(Dタイプ)」の4つのタイプがあります。
ただし、遺伝的な要素や青年期以降の環境によっても影響を受け変化していくとも考えられ、一度決まったスタイルが一生続くというわけではありません。
また、100%「安定型」ということはなく、誰もが、 「安定型」「不安型」「回避型」 「無秩序型」の要素を伏せ持っており、どの型が一番強くでているかその愛着スタイルが決まります。
そのうち「無秩序型 Dタイプ」が過剰同調性と関係があると言われています。
「安定型」(Bタイプ)
親の特徴は、子どもの欲求や状態変化に敏感で、過剰あるいは無理な働きかけは少なく、遊びや身体的接触を楽しんでいます。
母子分離時に多少の混乱を示しますが、親との再会時には積極的に身体的接触を求め、混乱は容易に沈静化し、母親が安全基地として機能しています。
「回避型」(Aタイプ) ・・・抑制型
親は、子どもの働きかけに拒否的で、微笑んだり身体的接触が少なく、子どもの行動を強く規制しようとする傾向があるようです。
当初はネグレクト(精神疾患をかかえ面倒みきれなかったり、仕事が忙しく面倒みきれなかったり)で起こるものと考えられてきましたが、その真逆ともいえる、生真面目で、義務感が強く、 過干渉的で支配的な親でも回避型が強まるようです。
友人は作れるものの、一定の距離を置いた人間関係を好みます。
本音をぶつけ合う情緒的な関係や、ずっと過ごす密接な関係は重荷に感じるため、あらかじめ親密になるのを回避するよう振る舞います。
「不安型」(Cタイプ) ・・・脱抑制型
「不安型」の名前の通り、見捨てられ不安が強いのが特徴です。
過剰にかまわれたり、必要以上に溺愛されたりすると、こちらの傾向が強くなります。
こうした子どもは、親から過剰に構われることが普通になってしまうので、親が少しでもいなくなるとパニックになり、泣き叫びます。
「無秩序型(Dタイプ)」
回避型と不安定型が混合したタイプ。
一貫性のない無秩序な行動パターンを示すのが特徴です。
このタイプは、虐待を受けたり、アル中の親であったり、精神状態がひどく不安定な対象者に育てられているという、緊張状態の家庭で育った子どもに見られやすい傾向にあります。
また、支配的な過干渉な親と、過保護な親といった両極端な親でもおこり、境界性パーソナリティー障害になるリスクが高いとされています。
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