身体醜形(しゅうけい)障害/醜形恐怖症(BDD  body dysmorphic disorder )とは

トラウマ

身体醜形(しゅうけい)障害/醜形恐怖症(BDD  body dysmorphic disorder )とは

誰にでも自身の身体に「ニキビがある」「鼻が低い」などコンプレックスを抱き悩む経験はありますが、そのような容姿に病的なまでに劣等感やこだわりを抱き、日常生活に影響がでてしまう症状を 身体醜形障害(醜形恐怖症) といいます。DSM-5では『外見・容姿への強迫的かつ妄想的なこだわり』があることから強迫関連障害の項目に入りました。

日本では1990年代から増加し始めるようになったとも言われています。
この障害を持つ場合、1日に何時間も自身の身体の欠陥について考え、無駄な時間や行動に費やしてしまう事や、人目を避け外出することにも強い抵抗を感じ、引きこもり、学校を退学したり、仕事を辞めたりすることもあります。 また友人を作らなくなったり、引きこもりなどの問題行動が増え、最悪離婚をするきっかけとなる可能性もあるといわれています。

発症

アメリカの発症率調査では国民の1%程度とされていますが、患者は医師にも言わない傾向が多いため、実際は多数の患者がいるのではと推測されています。
身体醜形恐怖症の発症は患者の70%近くが18歳までに発症し、最も多いのが12~13歳の思春期です。
思春期とは、男子は男性らしく、女子は女性らしく身体が変化してくる時期で、他人と自分の違い・他人から見た自分がどう見えているのかなど、今まで以上に意識するようになってくる過敏な時期であるため、他人から指摘されたことに対して過剰に反応しコンプレックスとなるものと考えられています。

また、中高年からでも「薄毛」「しみ」「メタボ」などの悩みを抱えることもあり幅広い年齢で発症します。容姿にこだわる女性のほうが多く、男性4割、女性6割の比率と言われています。 近年はSNSへの自撮り投稿でも発症することもあるともいわれています。

症状

症状としては、ちょっとした軽いことが気になると自身を卑下し、自己肯定感が下がり、恐怖症、強迫観念や自身の顔を見る事に恐怖を抱くか、逆に何度も鏡で自身の顔を確認するといった症状が現れてきます。
症状は30代から自然に緩和してきますが、最悪、摂食障害や整形を何度も繰り返し行うこともあり、整形で失敗すると、そのショックでうつ病など精神疾患を発症する危険性もあります。

A 外見上の心配に反応して、繰り返し行動または精神的行為を行う
(強迫性障害)

外見上のとらわれのイメージが頭の中に浮かんできて、そのたびに自分の顔を満足いくまで何時間も鏡でチェックしたり、過剰なまでの身づくろいや化粧をしたり、鏡があると、自分の身体や顔を写したり、周囲やSNSなどで何度も「おかしくないよね?」「かわいいよね?」「褒めて」と確認する行為が増えてきます。
また、何度も日焼けで真っ黒にしたり、写真も、自身の姿が理想通りに写るまで何度も取り直すような行為、整形を何度も繰り返し行う場合、身体醜形障害の可能性が潜んでいます。

B 自身が醜いと感じた部分を隠したり、見ないようにする。

Aとは逆に、ミラーに自身の姿が映ることに対して恐怖を抱き、自分が映らないように避けたり、わざと見ないようにする行為が特徴です。
写真に撮られた場合も同様に、写真に写ることを嫌い、自身の顔が写ったものは見ないようにすることもあります。
また、帽子、スカーフ、サングラス、マスク、厚メイクで気になる箇所を隠す行動もみられます。

C 人と接触する場所を避けるようになり、外出しなくなる。
 (社交不安障害 SAD)

自分の醜い部分を人に見られる事が苦痛になると、外出することに恐怖を抱き、電車に乗れなかったり、引きこもり状態まで追い込まれ、日常生活にも支障をきたしてしまうこともあります。

D うつ病、自臭症、妄想障害、統合失調を引き起こす可能性が高い

持続的に襲われる容姿のコンプレックスの恐怖や、それを抑えるための確認・逃避行為により精神が疲弊し疲労感を抱えやすい体質となります。
さらに美しくなりたいと始めた過度なダイエットにより摂食障害を引き起したり、繰り返し整形を行ったりすることもありますが、整形での失敗や、失恋によるダメージで落ち込み、そのショックでうつ病や統合失調症を引き起す危険性も高い傾向にあります。

また、醜形障害患者はある程度の割合で「自臭症」も併発しやすい傾向にもあります。
自臭症とは、
「自分の臭いによって他人に迷惑を与えていないか?」
あるいは
「自分の容姿によって他人に不快な気分にさせていないか?」
といった加害妄想的な症状をいいます。

なりやすい人

不安や欲求による認知の歪み、社会的な心理、生理学的な錯覚が関与していると言われています。
原因は諸説いわれていますが、親兄弟から容姿を貶されたり、他人から傷つけられた事がトラウマとなるようですが、そのようなタイプは、感受性の高いHSPタイプや内向的な人が多い傾向にあります。
比較的、性格的に長所が多く、完璧主義な人が欠点に気づきやすく、容姿レベルも平均以上の高め(イケメン・美女)で全く問題ない人が多いようです。
あまりに高い理想と現実のギャップに悩まされている人が多く、他人がどれだけ「美しい」と言ってもあまり治癒の効果はありません。

トラウマを抱えやすい要因

①過剰にコントロールする親(母親は不安を抱きやすく強迫的に自分の理想通りにしてしまいやすい)
②いじめや仲間外れなどによる交友体験が過小
③親から貶され、その劣等感から親に認めてもらいたい承認欲求が強い
④「かわいい」と育てられ、そのイメージを崩さないよう向上意識が強すぎる
⑤「かわいい」と育てられたが、成人することで客観視できるようになり、現実と理想のイメージとのギャップを埋めようとする

精神医療での対処法

薬物で行う場合はSSRI(フロボキサミン・パロキセチン・セルトラリン・エスシタロプラム)が主に使われていますが、効果はあまりなく、交感神経を高めセロトニン症候群、リストカットなどを引き起す可能性を高めていきます。
そのため、境界性パーソナリティーと診断され無駄な投薬治療が行われているケースも多々あります。
また、心理療法においては、、暴露反応妨害法(ERP)を利用し、「不安階層表」に従って慣らしていく方法が行われます。

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