発達障害(ASD:自閉症スペクトラム,ADHD:注意欠陥多動性障害,LD:学習障害)

トラウマ

発達障害とは

発達障害は、様々な種類と症状があります。
先天的に脳機能の発達のアンバランスさと、家庭、人間関係といった環境要因とのミスマッチから社会生活に困難が生じます。
世界保健機構(WHO)の基準における発達障害とは、ASD(自閉症スペクトラム、アスペルガー症候群)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(学習障害)が定義されています。

発達障害の人は、環境への適応が難しく、対人関係におけるトラブルなどからストレスに過敏となり、体調が悪くなりやすい傾向にあるようです。
苦手なことは多いですが、得意なことは特化して優れている場合があるので、それを個人の個性として伸ばしていこうとする考え方もあります。
一方で、人の表情、感情が読み取れないことから不適切な発言や自己中心的な行動が招く対人トラブル、動作がロボットのようで柔軟な動きや複雑な作業ができないといったことで悩んでいる人もいます。
発達障害の特徴については教科書的に次のように定義されています。

発達障害の特徴

1.言語発達、コミュニケーション障害、社会的相互作用による欠陥(無関心、対人関係の不器用)
2.社会性の障害(友人をつくれず、遊ぶことが苦手)
3.同一性保持行動(儀式化され常同化した行動を変える事への抵抗)
4.知的障害を合併する

すべて当てはまればカナー型、2と3が当てはまればアスペルガー症候群とされています。
しかし、先天的となれば、親も発達障害である点や、こういった症状をもつタイプの家庭のほとんどは親の躾けが過度であったりといった家庭環境に問題がある場合が多い傾向があるようです。
また、HSP(Highly Sensitive Person)でも、ストレスによりPTSDや解離性障害を受けたり、うつ病を発症すると発達障害的な症状がでてきます。
また、軽度の発達障害者でも周囲に適合しようと努力するとHSP的な特性を持つことになるため、先天性か環境要因か、あるいは発達障害かHSPかをはっきり識別することは困難なことと思われます。

発達障害の特徴

HSPの特徴

・その場の空気が読めず、トラブルを起こしやすい。
・自己中心的
・人の表情を読み取る事ができない。(ASD)
・動き回る(ADHD)
・柔軟な思考ができない
・手先が不器用
・外部刺激に敏感で内部刺激は鈍感
・引きこもりがち

・空気を読みすぎて疲れる
・過剰にまわりに合わせる(遠慮しがち)
・人の声、表情に敏感
・良心的(迷惑をかけないようにする)
・外部と内部刺激に敏感
・1人になる時間が好き
・繊細で自然が好きであったり動物を扱うことに慣れている。

ASD(自閉症スペクトラム)の特徴

自閉症スペクトラム症の子供は、狭い範囲でのマニアックな興味を持ち、日常的な習慣を邪魔されると強い不安感を感じることがあるようです。
こだわりが強く、柔軟な思考が難しく、言われたことに対しても指示に従わないことがあります。
単純作業を繰り返し行う事は得意ですが、複雑な作業になると困難になります。
そのため、適応障害になりやすい点や指導によって適合しやすい環境で働けるよう指導する方向になりつつあります。

自閉症スペクトラムの歴史

自閉症スペクトラムの概念は、2013年のDSM-5に取り入れられたもので、それまで自閉症はカナー症候群とアスペルガー症候群に分けられ、別々なものと考えられていたものをスペクトラム化(グレーゾーン化)して表したものです。

カナー症候群

自閉症の症状は古くから存在し、認識されるようになったのはほぼ戦時中にあたる、アメリカの児童精神科医のレオ・カナー氏が「早期幼児自閉症」として報告したのが最初です。
カナー氏は、「聡明な容貌・常同行動・高い記憶力・機械操作の愛好」などの特異な症状をもつ子供の11例を報告し、統合失調の陰性症状のようなものが早期に発現したものを「自閉症」と考えます。
これが医学上の自閉症の歴史の始まりになります。
カナー氏は、自閉症の原因は後天的なものでなく、「親の愛情不足による心因性による症状」と考えました。
そして自閉症児の母親を「冷蔵庫マザー」と呼び、愛情を持って育てれば治ると考えていました。 
ー氏の説いた自閉症タイプは「カナー症候群」と呼ばれます。

アスペルガー症候群

レオ・カナー氏が「早期幼児自閉症」を報告した、ほぼ同時期の1944年、ウィーン大学病院で小児科医として働いていたハンス・アスペルガー氏は、ドイツとオーストリアの合併による「ナチスの優性政策や安楽死に関わる問題」(優性学の考えに基づき、障害児は安楽死にすること)に配慮する形で「自閉性精神病質」を発表します。
(まだこの頃は「アスペルガー症候群」として広まっていません。)
アスペルガー氏は、これらの子供達を、自閉的精神病質(オーティスティッシェプシコパーテン)と呼び、社会的に問題を起こすも知的には優れた精神病質であって精神病ではないこと、こだわりを生かせて有能さを発揮できれば就労可能であることを強調しています。
また、「好適でない環境と教育の下では、状況が精神病に近接する程度の病理を有する自閉症を創り得る」と記しているようです。
また、現代では一般に「アスペルガー症候群」は知的障害を伴わない自閉症と捉えられていますが、アスペルガー氏は知的障害については言及していません。これは、後にアスペルガー症候群を広めたローナ―・ウィング女史の解釈によるものです)
アスペルガー氏の関わった子供の自閉症の特徴として、あたかもロボットのような動きをする特徴がみられます。
しかし、自閉症を提唱したカナーはユダヤ人で、ナチスに母と同胞を殺された経緯もあり、ナチス側のアスペルガー氏に嫌悪感を抱いていたことや、戦後、米英の研究者達はアスペルガー氏の論文を無視していたこともあり、戦後世間で知られることはありませんでした。

シカゴ大学のブルーノ・ベッテルハイム氏は、カナーの唱えた「冷凍庫マザー」理論を広め、1950年~60年代に自閉症は親の愛情不足であると主張し、自閉症児の母親たちは「冷蔵庫マザー」のレッテルを貼られ、社会的な非難、自責の念、罪悪感に悩まされることになります。
イギリスの精神科医であり、自閉症の娘を持つローナ―・ウィング女史は1944年に書かれたアスペルガーの書いた論文「自閉性精神病質」を発見します。
ウィング女史はこの論文を元にして「アスペルガー症候群」として提唱し自閉症は先天的なものであって、親の育成歴によらないものであることを主張し世に広めていくことになります。
「アスペルガー症候群」がウィング女史によって認知されるようになると、1960年代、カナー型とアスペルガー型の両方の研究が日本で検討され、比較論争が始まります。

アスペルガー氏が亡くなった翌年の1981年、ローナ・ウイング女史が「アスペルガー症候群」を大きく取り上げてから認知されていくようになります。
しかし、それとは裏腹に、ウィング女史によって広められた「アスペルガー症候群」はアスペルガー氏の提唱したものとは別物に変貌していくことになるのでした。
この差し替えられた「アスペルガー症候群」は後にDSMへ盛り込まれ、さらにカナー型とスペクトラム化されて「ASD(自閉症スペクトラム症)」がつくられました。

アスペルガー症候群の分類化

ウィング女史は、アスペルガー症候群は質的要素として孤立型、受動型、積極奇異型といった3つの分類をつくりあげました。(大仰型、尊大型といったものがありますが、それは後に他者によってつくられたもの)
本来なら「自閉」という言葉は孤立型をイメージしますが、受動型、積極奇異型といった分類をつくってしまったため、「自閉症ではなくなった」と指摘する学者も多いようです。ウィング女史はこれらの徴候さえあれば、知的レベルや発症年齢も問わないとした為、自閉症該当率は4倍強まで増える結果を招くことになります。

アスペルガー症候群の質的分類化

対人的無関心=孤立型
無表情で人に対しての関心がなく、呼んでも返事はなく、すれ違っても反応もなく他の人が見えてないかのような行動をする。

受動的な交流=受動型
最も少なく、最も問題行動が少ないタイプです。自分から周りと関わろうとはしないのですが、他の人が関わってきた場合は嫌がらない。

積極奇異型
周りの人と積極的に関わろうとはするのですが、自分本位に接し一方的な会話を延々とするので周りから引かれてしまう事も多い。

ASDと深い関わりのある症状

・解離性障害(離人症、健忘、解離性同一性障害)
・慢性疲労症候群

ADHD(注意欠陥・多動性障害)の特徴

ADHD (Attenuation Deficit Hyperactivity Disorder) は、1902年にイギリスの精神科医サー・ジョージ・フレデリック・スキルによって発見され、1980年のDSM-Ⅲにおいて「多動を伴う注意欠陥障害」として登録、1994年のDSM-ⅣでADHDに名称が変更となりました。

児童の3~7%がADHDで、男子の方が女子よりも高い傾向にあると言われています。
ADHDの子供は注意欠陥(ミスがおおい)、多動性(落ち着きがない)・衝動性(抑制がきかない)といった症状が年齢に見合わず現れ、日常生活において支障をきたす障害です。
一か所にじっと落ち着いて座っていることができず動きまわったり、忘れ物、時間を守れない、片付けできない、時には乱暴になるなど割と目につきやすい行動が多くみられます。
例えば、学校で授業中なのに、立ち歩いたり、生徒とおしゃべりを続けるなど場に応じて空気が読めず、集中できないような症状の子供はADHDの可能性があります。
知能指数が低いというわけでなく、むしろ高い人が多いとも言われています。
12歳以下でADHDと診断がされなかったのに、成人してADHDと診断される者も多く、診断の方法には議論があります。

子供のADHDの特徴

ADHDの症状の特徴は「注意欠陥」「多動性」「衝動性」に大きく分けられます。
ADHD発症者の30~50%は学習障害をもっていると言われます。

注意欠陥:集中力が欠ける

・勉強や遊びに集中できない
・物忘れや物をよく亡くす
・課題を順序だてて行うのが難しい
・整理ができない

多動性:じっとしていられない

・じっとしていられず動き回る
・静かにしていなければいけないときに動き回る
・おしゃべりし続ける

衝動性:動作を抑えられない

・列に並んで順番を待てない
・他の人がしていることを邪魔をする
・大声を出してしまう。

大人の発達障害の特徴

近年大人でも発達障害と診断されるようになりましたが、実際は診断をすると誰もがあてはまる項目があるため、過大評価されているといった見解もあります。

  • 仕事に集中できない
  • 単純なミスが多い
  • 期限のある書類を仕上げることができない
  • いつもうわの空のような印象を与える
  • 指示されたことをすぐに忘れてしまう
  • 仕事や生活の必需品をよく忘れたり無くしたりする
  • 時間や約束を守れずトラブルになることが多い
  • 部屋や職場の机がいつも散らかっている
ADHDと深い関わりのある症状

PTSD
爪噛み、抜毛癖、鼻ほじり、貧乏ゆすり、癇癪 ,あがり症、チック・トゥレット障害、吃音
・気分障害(うつ病・躁うつ病など)
・不安障害(パニック障害・社交不安・広場恐怖など)
・強迫性障害
・依存症(アルコール・薬物など)
・繊維筋症候群

学習障害(LD)

発達障害は、ASD,ADHD,LDにカテゴリーが定義されています。

学習障害(LD:learning Disorder)に特徴は、全般的な知的発達に問題はないものの、読む、書く、話す、計算するといった特定の事柄のみが難しい状態を指し、日常生活に支障がでる障害です。
学生のときは、何度も叱られたり注意されることが多くなる可能性が高くなるため、慢性的なストレスを受けやすいとも考えられます。
慢性的ストレスがかかると、解離性障害を発症し、自信を失ったり、意欲、感情が低下していきます。
神経過敏となり、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や環境的な要因が直接原因となるものではありません。

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