統合失調症とは

トラウマ

統合失調症とは

統合失調症に共通する症状は、精神分裂症(精神機能の分裂症)と呼ばれていましたが、偏見を助長しやすいということで2002年から統合失調症とよばれるようになりました。
統合失調症は、現実と空想の境が分からなくなる状態で、思考や感情がまとまりにくくなる障害です。
統合失調症になるような人は、生まれついた頃から、健康な部分の成長が阻害され、発達障害のような症状を抱えているか、もしくは、どこかで痛ましい外傷体験に曝されて、神経発達に問題があります。

統合失調症の症状の特徴として、幻聴・妄想などの症状が現れる陽性反応と、意欲の減退・感情表現の欠如の陰性反応があります。
一般に考えられているのが、「ドーパミン仮説」と呼ばれるもので、中脳にあるドーパミン神経回路におけるドーパミン分泌の影響が考えられ、ドーパミン分泌コントロールする薬として抗精神薬が利用されています。
ただし、ドーパミン仮説では陰性反応を説明できませんでした。
近年は、グルタミン酸濃度の過剰によって起こるとされる「グルタミン酸仮説」が陽性、陰性反応も説明できることから注目され研究されています。

統合失調症の特徴

陽性症状(幻聴・幻覚)・・・中脳辺縁系でドーパミン量過剰
陰性症状(意欲減退・感情欠如)・・・中脳皮質系でドーパミン量減少

統合失調症の陽性症状は、トラウマ理論で言うと、交感神経系が過剰に働いた過覚醒のような状態に近く、リスクを考えずに無鉄砲に行動や攻撃をし、怒りをあらわにした状態で、陰性反応は、背側迷走神経が過剰に働き、低覚醒のようなうつ病の強い不動状態に近い状態とも考えられます。
自分のことがよく分からなくなり、頭の中の思考がグルグルし、強迫観念や強迫行為に悩みます。
酷くなると、心拍数や血圧が下がり、手足の筋肉は極度に脱力して、絶望から動けなくなります。

発症

発症率は100人に1人で、10代後半から30代が多いといわれています。
進学、就職、結婚などの人生の転機で発症しやすく、患者の生涯自殺率は10%以上で、これは一般人口の12倍の値になります。
ただし、ただのうつ病を統合失調症と診断する誤診も多いようで、実際の統合失調症者数は3000人に1人程度ではないかと考える医師もいます。

症状

3-1.症状

症状は陽性と陰性に分けられます。
統合失調での合併症として抑うつと薬物乱用が多く、少なくとも25%は常時抑うつといわれています。

特徴

幻覚・・「あっちへいけ」などの命令形の声が頭で聞こえる。
妄想・・自分の考えが世界にもれているなど被害妄想を抱く。
感情の障害・・無表情になり、他人の感情に近づきにくくなる。
意欲の障害・・やる気が起きず、引きこもりになる。
感情の障害・・話題が飛んだり、作業ミスが多いなどする。

解離によって起こる対人過敏症状でも、「あっちいけ」と声が聞こえる幻聴がありますが、この場合は意識がある精神科医の中にはこれを、統合失調症と誤診するケースも多々みられるようです。
統合失調症者の場合は、現実と幻の区別がつかず、支離滅裂で妄想的になりがちですが、解離の当事者は自分を客観的にみることができるという点で違いがあります。

3-2.タイプ

統合失調症には「破瓜型」「妄想型」「緊張型」の3つのタイプがあります。

・破瓜型(はかかた)
 15~25歳の若年層から多いタイプで、陰性症状が主にみられ大人しい人が特徴です。

草間彌生 - Wikipedia

服装などのデザインにも特徴がみられることも多い。

・妄想型
 30歳中期から発症する最も多いタイプで陽性反応が激しいタイプです。
 突然性格が変わったかのように現れるので分かりやすい派手な症状ですが、薬で症状が
 治まりやすいのが特徴です。

・緊張型
20歳前後で発症するケースが多いですが、現在はほとんど見られないタイプです。
常時緊張状態に置かれているのが特徴で、一見して物静かな印象ですが手や足を小刻みに奮
えて、時には急に奇異な行動を起こします。
しかし躁鬱病とは異なり劇的な変化は殆ど在りません。

統合失調症の原因

統合失調症の原因は、よく分かっていませんが、胎児期~幼児からの早い段階からのトラウマ体験(いじめ、機能不全家庭、虐待など不運な環境)、遺伝的なものが原因と考えられています。
機能不全家庭のように、小さい頃からの過剰なストレスを受けると脳が委縮し感受性が強くなり、PTSDや解離性障害を受けやすくなって次第に頭がぼんやりしたり、空想耽ったり、感情が失われたり、幻聴、幻覚が起こり統合失調症と似たような症状が起ってきます。
そして、自意識が芽生える思春期以降に、脳や身体が異常な状態を取るようになり、神経系が破綻していきます。
思春期にかけて、学校などの集団生活に馴染めなくなり、周りから拒絶されているように感じて、家庭でも自分の居場所が無く、過剰警戒や迫害不安、強迫観念、強迫行為が出てきます。

・家庭環境に問題があった人
・幼少年期の性格について、良く知られている所では「親のいうことを良く聞く、いい子」
・子供時代にいじめを受けた経験を持つ人が高い
・非社交的(孤独で人間嫌い)
・偏屈
・頑固
・疑い深い
・無口
・控えめ
・生まじめ
・閉じこもりがち
・大人しい

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