トラウマ・・・PTSD 

トラウマ

トラウマの後遺症 PTSDとは 

PTSD(Post Traumatic Stress Disorder :心的外傷後ストレス障害)とは、 戦争、天災、事故、犯罪、虐待など生命が脅かされたり、パワハラによって尊厳を踏みにじられるような強いショック体験が心のダメージとなってショック状態に陥り、時間だたってからも、その経験に対して強い恐怖感を感じるトラウマチックな症状です。

扁桃体が過敏になって交感神経が高まり 恐怖、麻痺、回避、再体験、過覚醒、凍りつき、無力感、認知と気分の陰性の変化、身体症状、体調不良などの症状が続きます。長い年月が経っても当時の出来事を想起させるような光景、感覚、感情、声、音などに対して身体が過敏に反応するようになり、恐怖に襲われたり、似た状況を極度に避けたりして日常生活が困難になってくる場合もあります。また、過去の忌まわしい体験が蘇る再体験症状(フラッシュバック、悪夢)が現れ、不安、悪夢、不眠、緊張、イライラ、集中力低下といった症状がでることもあります。

PTSDによって生じる主な症状

PTSDによっておこる代表的な症状として侵入症状(フラッシュバック)、回避的行動、認知と気分の変化、覚醒度の著しい変化などがあります。

侵入症状(フラッシュバック)

トラウマとなった出来事に関する不快で苦痛な記憶が突然蘇ってきたり、悪夢として反復される症状です。このとき、気分が不安定になり動揺したり、動悸、発汗といった身体生理的反応を伴います。

回避症状

トラウマの出来事を極力思い出すことを避けたり、想起させる人物・場面・場所を避けようとします。

認知と気分の陰性の変化

ネガティブで否定的な感情をもつようになり、ポジティブな感情がもてなくなります。
また、興味や関心を喪失し、周囲との疎外感や孤立感を感じていくようになります。

覚醒度と反応性の著しい変化

普段でも、常に神経が張りつめ、苛立ち、自己破壊的行動、警戒心過剰、些細な刺激に極端に驚いてしまう(驚愕反応)、集中困難、睡眠障害といった交感神経が高まった症状がみられます。

発症

出来事の例としては、交感神経が高まるようなびっくりするイベント。災害、暴力、深刻な性被害、重度事故、戦闘、虐待、両親の激しい夫婦喧嘩などが挙げられます。そのような出来事に他人が巻き込まれるのを目撃することや、家族や親しい者が巻き込まれたのを知ること、災害救援者の体験もトラウマと成り得ます。

PTSD後の人格形成への影響

PTSD発症当初は、ちょっとした刺激へ怯えたり、過剰警戒をとりますが、時間が経過すると自然に回復していくようにみえる場合も多いようです。PTSDを受けると交感神経が高まり感覚も過敏になっていくため危険察知能力が高まっていきます。PTSDを受けるほど傷つきやすくなりますが、しだいに防衛反応として解離が進んでいき、人見知りなど人との付き合いを避けるようになり一定の距離を置くようになることもあります。HSP(Highly Sensitive Peron)とは感受性が高く1人でいることが好きな人のことで、一般的には先天的なものとされていますが、これに近い特性をもつようになるのかもしれません。

PTSDのもたらす身体的障害

トラウマは心的外傷と言われ、過去の記憶と考えられてきましたが、実際のところ脳と身体の神経系統による外傷であり、心の傷として残ります。
トラウマの影響を受けやすいのは、赤ん坊の時です。
本人には自覚はありませんが、発達早期(母体内、出産、幼児期)には防衛システムが整っていないため、トラウマ経験を背負いやすく、後の防衛システムにも影響してきます。

PTSDを受け神経過敏となった神経系に複雑にストレスが蓄積されていくと、自律神経が乱れ、不快感、興奮をおこし、幼少期は癇癪、おねしょ、爪噛み、チックなどの症状、青年期には自律神経失調症を引き起し、朝に弱く居眠りや虚弱体質、抜毛症、解離性障害(離人症、健忘など)、睡眠障害、といった症状、さらに成人するとアルコール依存、薬物依存、精神疾患(うつ病、パニック障害、摂食障害、強迫性障害、自傷行為)を引き起こすリスクが高まってきます。
また、慢性疲労症候群、 線維筋痛症、過敏性腸症候群、月経前緊張症候群、化学物質過敏症、トゥレット症候群、アルツハイマー病、自己免疫疾患、がんなど、その他ありとあらゆる慢性病にかかりやすいといわれています。

PTSD,トラウマ治療には

トラウマを背負うと、人間関係が長続きしない、家にひきこもりやすくなる、恋愛、子育てに自信がないといったことにも繋がり、生きづらさの原因になる可能性もあります。
一方で、人間関係が良好で、自分を支えてくれる人が周りにいるなど安心できる環境に恵まれると自然に回復していきます。
現実の耐え難い苦痛に対しても後向きにならず、前向きに努力したほうが自分のためと怒りや悲しみを力にして、学術、芸術、仕事、子育て、スポーツ等に励むことで人生を大きく好転させている人もいます。

精神論的に、逆境に対処する場合は、
 1.現実と向き合う
 2.不運に屈服するのではなく、不運に見舞われたことを受け入れる
 3.自分の運命を責めるのでなく、いかに生きるかに責任をもつ
こととされています。

しかし、PTSDに伴う症状(うつ病、パニック障害、解離性障害)といった精神疾患に対しては、カウンセリングや精神論だけでは不十分で、脳科学と身体的な面でのアプローチが有効です。
うつ病など精神疾患では解離を生じ、自己意識が弱まり、失感感情、自律神経失調症を伴っています。
基本的には自律神経システム(脳幹)、情動・運動・本能システム(大脳辺縁系)の働きを整えていくことで、これらの症状が改善され、意識が実感できるようになり、生きがいやモチベーションを高めていけるようになります。

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