うつ病はセロトニン減少で起こる?
![](https://i0.wp.com/depression.natural-spi.com/wp-content/uploads/2021/10/istockphoto-1302283250-612x612-1.jpg?resize=612%2C408&ssl=1)
「うつ病はセロトニン減少で起こる」
という葉を聞いたことがあるでしょうか?
2000年頃、TVやメンタルヘルス教育では、よくこんな教育をうけたものです。
セロトニンは脳内から分泌される神経伝達物質のこと。
神経細胞と神経細胞の間には小さな隙間(シナプス)があるのですが、
その隙間を往来する伝書鳩のような物質のことで、細胞から細胞へと情報伝達が行われていきます。
精神に関わる神経伝達物質には
・セロトニン
・ドーパミン
・ノルアドレナリン
といった物質があり、
精神疾患になるとこれらの増減が起こっていることになります。
これら神経伝達物質を総称して「モノアミン」といいます。
1950年代当たりに「モノアミン仮説」という理論が提唱されて、
これが「うつ病はセロトニン減少で起こる」という起源となり、
脳内のセロトニンを増やす抗うつ薬が開発されていくことになったのでした。
「仮説」というのは実証データはないもので、理論的に考えられたモデルです。
その後は、いろいろとこの仮説は間違っているという論者もでて、
今も議論になっているわけですが、
抗鬱薬を使用しての経験から体感的には、セロトニン減少は起こっていると思います。
確かにメンタルと、神経伝達物質は深い関わりがあり、
神経伝達物質を適度に分泌できるようにすることが
悩みにくくし、メンタルを健全にしていくことに繋がると思っています。
とはいえ、うつ病の発症は、セロトニン減少が直接のきっかけではなく、
トラウマティックなストレスを受け、
その結果、自律神経が乱れセロトニン減少に結びついているということだと思います。
精神疾患と神経伝達物質
![](https://i0.wp.com/depression.natural-spi.com/wp-content/uploads/2021/10/istockphoto-1173425257-612x612-1.jpg?resize=612%2C408&ssl=1)
うつ病といっても、いろいろタイプがあります。
適応障害(新型うつ)、抑うつ、非定型うつ、定型うつ
最初に抗うつ薬の治療対象としていたのが
「定型うつ病(メランコリー親和型)」
です。
定型うつ病にかかると、副交感神経(背側迷走神経)が優位になり
意気消沈、眠気が襲ってきていくら寝ても寝足りない状態が続きます。
(※不眠ではありません)
後に、抗うつ薬の効かない真逆のタイプのうつ病がでてきて、
これが
「非定型うつ(ディスチミア型)」
として知られるようになります。
交感神経が優位のタイプで、不眠、動悸が強いものです。
ノルアドレナリンが高まった状態で、
抗うつ薬ではなくノルアドレナリンを抑える
「抗不安薬」「睡眠薬」
が処方されることが多いです。
![](https://i0.wp.com/depression.natural-spi.com/wp-content/uploads/2021/10/dichit2.png?resize=416%2C366&ssl=1)
※睡眠項は逆が本当です。
定型うつ
メランコリー
眠くなるうつ病
![](https://i0.wp.com/depression.natural-spi.com/wp-content/uploads/2021/10/08776ee37e8ffff4ce65c2f8882a62c0-2.jpg?resize=222%2C249&ssl=1)
憂鬱、眠い、ぼーとする、体が重い
意欲が湧かなーい、感情が湧かなーい
セロトニン減少
ノルアドレナリン減少
抗うつ薬処方
抗不安薬、睡眠薬処方 ×
非定型うつ
ディスチミア
眠れなくなるうつ病
![](https://i0.wp.com/depression.natural-spi.com/wp-content/uploads/2021/10/6f8259a3a4c3567d41e4f709cef288ed.jpg?resize=171%2C232&ssl=1)
不安、眠れない、ドキドキ、焦る
緊張する、頑張らないと
パニック障害、全般性不安障害を併発しやすい。
セロトニン増加?
ノルアドレナリン増加
抗不安薬、睡眠薬処方
抗うつ薬×
適応障害
適応障害、新型うつタイプは、トラウマティックというよりも、ストレス的要因がほとんどであり、向精神薬の処方よりは、カウンセリング、環境を変える、療養をとるといったことが効果的で、不安を和らげるために抗不安薬や睡眠薬が処方されることがあります。
うつ病治療に使用される向精神薬
![](https://i0.wp.com/depression.natural-spi.com/wp-content/uploads/2021/10/istockphoto-450511363-612x612-1.jpg?resize=355%2C353&ssl=1)
抗うつ薬・・・定型うつ用
![](https://i0.wp.com/depression.natural-spi.com/wp-content/uploads/2021/10/istockphoto-1213927716-612x612-1.jpg?resize=293%2C293&ssl=1)
抗うつ薬は、セロトニン、ノルアドレナリンを高めることで、覚醒作用を高め交感神経を高め
憂鬱感、無気力感を向上させる薬です。
いくつかのタイプが世代別に分けられ、種類も豊富にあります。
抗うつ薬
・セロトニンを高める 「三環系、SSRI」・・パキシル、ルボックスなど
・ノルアドレナリンを高める「四環系、SNRI」・・トレドミン、サインバルタなど
・両方を高める 「NaSSA」・・リフレックス、レメロン
・睡眠薬、抗不安薬・・・非定型うつ用、パニック障害、全般性不安障害
![](https://i0.wp.com/depression.natural-spi.com/wp-content/uploads/2021/10/istockphoto-1149624414-612x612-1.jpg?w=1186&ssl=1)
GABA受容体に作用してノルアドレナリンを抑制し、副交感神経を高め不安な気分を和らげ、鎮静効果を高める抗不安薬、睡眠薬は、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系類と呼ばれる薬が主に使用されています。非ベンゾジアゼピン系は、副作用改善のために開発されたものですが、効果の差はほとんどありません。
抗不安薬、睡眠薬
・ベンゾジアゼピン系・・デパス、ジアゼパム、サイレース、ハルシオンなど
・非ベンゾジアゼピン系・・アモバン、マイスリー、ルネスタなど
がほとんど。
近年は、副作用の少ないメラトニン系、スボレキサント系の睡眠薬が登場
向精神薬を飲んでも症状緩和だけで、「治療薬」ではないことに注意が必要です。いくら服用しても治りません。
トップへ
「自然治癒力発動!」
うつ病、自律神経失調症、不安障害、摂食障害
PTSD/解離性障害
を短期克服
トラウマ/HSP/潜在意識ヒーリング