機能不全家庭とは

トラウマ

機能不全家庭とは

精神疾患やアダルトチルドレンになる要因として、性格面、遺伝的要因、神経伝達物質の減少が原因と言われることがありますが、基本的にその背景としてあるのは、育成環境が大きく関わっています。
家庭内で起きる対立、虐待(心理的、性的、身体的)、育児放棄(ネグレクト)、過干渉などが日常的に起きている状況を「機能不全家庭」といいます。
機能不全家庭」の親は、一見社会的にも逸脱者のように思われますが、社会的にはごく普通で社交的、仕事熱心、真面目で信仰心が深いなど、一見まともな家庭に見られることも多いようです。
機能不全家庭は特別な家庭のように感じられますが、どこの家庭にもあるようなもので、一般家庭の85%は機能不全家族の状態であるという識者もいます。
そのため、多くの人はトラウマ的な症状を何等か経験しており、うつ病になる潜在的危険性を秘めているのかもしれません。

機能不全家庭のパターン

機能不全家庭で育つと、ある共通したパターンがみられます。
ここでは、そのパターンをあげていきます。

親子が互いに依存し合う共依存関係

自分と特定の相手がその関係性に過剰に依存しており、その人間関係に囚われている関係を共依存といいます。

例えば、過干渉の特徴がみられる親は子供に
 「あなたにはまだ早い」
 「あなたには無理」

などと自立させないようにします。
そのようになった子供は、親の言うことに従い、自発的に行動できなくなります。
一見すると、子供思いの親と素直で従順な子供に見えますが、子供は将来的に1人でどのように行動すればいいか困惑し、他人に依存しがちになります。

親が家庭に無関心/過干渉

機能不全家庭で最も代表的な特徴が、無関心(ネグレクト)過干渉です。
無関心と過干渉は相反する性質ですが、どちらも極度に親と子供との距離感が適切でないというものです。
これは、いわゆる毒親の特徴であり、子供や家庭を「自分の持ち物・私物」といった程度に捉えており、物のように扱ったり、自分の意のままに動く奴隷のように干渉しようとする親もいます。
親は、自分の価値感や好み、友人相手、趣味、遊び、結婚相手、進学先などを押し付けるのは「当然だ」と考えており、子供は親の過剰な期待を背負わされ、レールにはめられた人生を歩みがちになります。
しかし、子供達もまた、親の意向に沿う事は当然だと思っている場合が多く、それが心理的虐待だと気づかない場合が多々あります。
社会にでると、しだいに自分を思うように表現することや、自分のやりたいことをすることに罪悪感を感じ、周囲とズレた感覚を覚えることもあります。

1.「〇〇さんと付き合うのはやめなさい。」
2.「しっかりした相手と結婚しないとな。」といってお見合い話をもってくる
3.「〇〇大学いって、将来は公務員になりなさい」
4.「茶髪は不良だ!」といっておしゃれをさせない。
5.「いい年してゲームなど辞めろ。ゲームなど小学生のする遊びだ。」

子供への愛情が条件付き

機能不全家庭の親で、子供をかわいがっている人は多くいますが、その愛情が自分の期待に沿っている場合であることに気づいていないことがほとんどです。
親が躾けた通りのことをやらなかったり、期待した道から外れる行動をとると、一気に愛情が冷めて冷淡な態度をとるようになります。

1.「〇〇大学落ちたあんたは私の子ではない」
2.「あんな男と付き合うならでていけ!」

父親もしくは母親が自分の役割を放棄している

機能不全家庭は片親であると思われがちですが、両親が存在しているケースも存在します。
例えば、親が家にいる時間が短い、家族の団らんに参加しない、両親が不和といった問題を抱えている等で親としての役割を放棄し、子供に不在の親の役割を押し付けようとするものです。
例えば、「長男だから弟妹の面倒をみなさい」とか「買い物や食事の支度をしなさい」といった母親代わりのことを押し付けるケースがよくあります。

褒めない親

機能不全家庭の親には、子供を褒めることが非常に少ないという傾向があります。
完璧主義で教育熱心な親であれば、勉強を頑張っていい点をとったとしても「これだけの点か」と子供のさらなる努力を期待します。
また、子供を支配したい親であれば、ダブルバインドを利用して、やることすべてを否定することで劣等感を植え付け、「お前は親を超えることはできない」と暗に親の力が偉大であることを洗脳します。
子供は親の期待に沿うように必死で頑張るのですが、期待に応えられなくなると次第にやる気をみせず無気力になっていきます。

兄弟姉妹・同年代の子供との比較が多い

子供を褒めない代わりに、兄弟間や他の子供と比較することで子供に劣等感を植え付ける特徴もみられます。
お前は長男なのになぜできない
〇〇さんが90点取ってたら、それくらいとれて当然でしょ
と他人と比較することで、自身の不満を解消したり、子供の競争心を駆り立てようとします。

物理的・精神的暴力や虐待がある

子供への虐待は、物理的、心理的、性的虐待があります。
物理的虐待は、殴る、蹴るといった暴力がありますが、目の前で物を壊す、殴るふりをするといった威嚇行為も虐待に含まれます。
精神的暴力には、子供の身体的特徴(背が低い、顔が丸い)ことを馬鹿にしたり、
ブス
あんたなんか生まなければよかった
といった悪口・暴言を浴びせることがあります。
このように言われた子供は、特に容姿は問題ないのにコンプレックスを抱き、整形を繰り返したり(醜形恐怖症)、自傷行為を繰り返すこともあります。
また、恋愛関係にも自信がもてず、結果的に特に好きでもない相手に弄ばれたり、利用されるという結果に結びつく可能性もあるので注意が必要です。

親の機嫌を気にして家庭が緊張状態にある

機能不全家庭の親は、だいたい仕事や夫婦仲の面などで精神状態が安定しておらず、いつ怒り出すか常に家庭の中で、子供達は親の機嫌を損なわないように緊張しつづけることになります。
下記のようなところがあれば、誰かが緊張状態にあるといえます。

  1. 家族の誰かが帰ってきたら、テレビのチャンネルを変えなければならなかった。
  2. 家族の誰かが帰ってきたら、いつも雰囲気が重くなる、会話が途絶えた。
  3. 家族の誰かが帰ってきたら、自分の部屋に隠れるように戻る家族がいる。
  4. 家族の誰かが大切にしているもの(想い)を否定する人が1人以上存在する。
  5. くつろいでいる、遊んでいるとイヤミを言われる、ため息をつかれる。
  6. 外でいるのと、家庭内でいる振る舞いにギャップがある。(外で騒がしく、中で大人しい)

毒親が設ける家庭内のルールは常に流動的で矛盾が多く、その時の気分によって話が大きく変わります。
そのため子どもたちが良かれと思ってしたことも、翌日には制裁対象となることがあるのです。
このような経験の積み重ねによって、子供たちは家庭内では常に緊張し息を潜め「親からの制裁を受けないこと」だけを重視するようになっていきます。

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